天台宗  硯山長福寺

今回、筆者の自宅(千葉県いすみ市)のお隣りにある長福寺さんのことを書いてみますね。お隣りにありながら、あまり詳しいことを知りませんでした。

境内には、りっぱな大きな槙の木があり、その槙の木が『筆掛けの槙』と呼ばれていることは、子供のころから聞いて知っていました。先日、住職の奥様に聞いてわかったことですが・・・。

なんと!開山1200年‼  ‟それって平安時代~だ~(*_*)”

平家により鎌倉に追われた源頼朝が、平家追討の援軍を求めて房総にやってきた時、長福寺に立ち寄り、時の住職との話の中で、まだ山号のないことを知った頼朝が‟山号を授けるので書くものを持て”とおっしゃいました。住職の差し出した硯のあまりの見事さに”硯山(すずりやま)”とすることになったそうです。そして筆を槙の木に掛けたので‟筆掛けの槙”と言われるようになったとのこと。寺宝の大硯が展示されているお堂があり、素晴らしく、一見の価値ありです。見事です‼

ん~ん納得しました。筆者の住むこの地の字(あざ)名が『硯(すずり)』。そう、地名には、深い意味があるんですね。まずは興味を持って、訪ねていくと、いろんな感動があるんですね。実感しました。

そしてまた、長福寺にはすばらしい欄間があります。

皆様、″波の伊八”という彫師をご存知ですか?最近ちょっとしたブームになっている名工なんです。伊八は、今の千葉県鴨川市に生まれ、‟波を彫らせたら天下一とうたわれました。

そう、実は、あの有名な葛飾北斎の代表作‟神奈川沖浪裏”に大きな影響を与えたといわれているのです。そして日本を代表する北斎の浮世絵は、ヨーロッパの芸術家の作品にも影響を与えました。下の写真を見比べてください。左の写真は、いすみ市の行元寺さんにある伊八の作品の欄間です。すごい‼元祖は伊八なんだ‼

その伊八の38歳の時の作品の欄間が、長福寺本堂にあったのです!!知りませんでした。すごいです。中央に『波と龍』左右に『雲と麒麟』、伊八の力漲る力作に圧倒されます。

いすみ市には、他に、伊八の作品で有名な行元寺、飯綱寺等ありますが、長福寺さんにも、ぜひ訪れて見事な作品を見ていただきたいと筆者は強く思います。